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2026.07.27ブログ

RFPテンプレートの作り方と記載項目【新規事業向け】

RFPテンプレートの作り方と記載項目【新規事業向け】

この記事に出てくる専門用語

  • RFP(Request for Proposal、提案依頼書):発注側が「こういうものを作りたい」という要望をまとめ、開発会社に提案を依頼するための文書。
  • RFI(Request for Information、情報提供依頼書):RFPを出す前に、複数の会社の技術力や実績などの情報だけを集めるための簡易的な問い合わせ文書。
  • 要件定義:作りたいシステムに「どんな機能が必要か」「どう動くべきか」を言葉にして整理する作業のこと。
  • スコープクリープ(Scope Creep):プロジェクトの途中で「あれも」「これも」と要望が膨らみ、当初の予定より作業範囲が広がってしまう現象。
  • MVP(Minimum Viable Product、実用最小限の製品):顧客に価値を届けられる、必要最低限の機能だけを備えた試作版のこと。
  • バーニングニーズ:ユーザーが「頭に火がついた」ように切迫して感じている、放っておけない課題のこと。

新規事業のシステム開発を外注しようとすると、多くの企業がまず「RFP(提案依頼書)」の作成でつまずきます。フォーマットも項目数も会社によってバラバラで、何を書けば開発会社に正しく意図が伝わるのか、検索してもなかなか答えが見つかりません。この記事では、RFPテンプレートに実際どんな項目を入れるべきか、新規事業ならではの注意点を交えながら具体的に解説します。

RFPとは何か、なぜ新規事業の発注で必要なのか

RFP(Request for Proposal)とは、発注側が「こういうシステムを作りたい」という要望や条件をまとめ、開発会社に見積もりや提案を依頼するための文書です。似た言葉に「RFI(Request for Information)」がありますが、これはRFPを出す前段階で、複数の会社の実績や技術力といった情報だけを集めるための簡易的な問い合わせを指します。まずRFIで候補を絞り込み、その後RFPで具体的な提案を依頼する、という流れが一般的な進め方です。

RFPを作る一番の目的は、発注側と開発会社の間で「認識のズレ」を防ぐことです。口頭やメールだけのやり取りでは、後から「そんな機能は聞いていない」「予算感が違った」というトラブルが起きやすくなります。特に新規事業の場合、社内に開発の経験者が少なく、何をどこまで書けばいいのか判断がつかないまま見切り発車してしまうケースが少なくありません。Wurに相談に来るクライアントの中にも、RFPを作らずに開発会社数社へ個別に問い合わせた結果、見積もり金額も提案内容もバラバラで比較のしようがなかった、という方が一定数いらっしゃいます。

RFPテンプレートに入れるべき項目一覧

RFPのフォーマットに絶対的な正解はありませんが、新規事業の開発発注で最低限押さえておきたい項目は次の通りです。

1. プロジェクトの背景・目的

なぜこの事業を始めるのか、どんな課題を解決したいのかを書きます。ここが曖昧だと、開発会社側も「何を作れば喜ばれるのか」が分からず、的外れな提案が返ってくる原因になります。可能であれば、想定するユーザーがどんな課題に困っているか、具体的なエピソードを添えると伝わりやすくなります。

2. 対象ユーザーと利用シーン

誰が、どんな場面でこのサービスを使うのかを明記します。BtoBなのかBtoCなのか、業務の中で使うのか個人の生活の中で使うのかによって、必要な機能もデザインの方向性も大きく変わります。

3. 要件(機能要件・非機能要件)

要件定義とは、作りたいシステムに「どんな機能が必要か」「どのくらいの速度や安全性が求められるか」を言葉にして整理する作業のことです。RFPの段階では詳細な要件定義書までは不要ですが、「最低限これがないと成立しない機能」と「あれば嬉しい機能」を分けて書いておくと、後の見積もり精度が大きく変わります。

4. スケジュール・予算感

いつまでにリリースしたいか、予算の上限や目安はどのくらいかを記載します。予算を伏せて「見積もりだけください」とするケースもありますが、新規事業の場合は概算だけでも提示した方が、身の丈に合った提案を受けやすくなります。

5. 選定基準

価格だけで選ぶのか、実績やサポート体制も重視するのかを事前に整理しておきます。選定基準を提示しておくことで、開発会社側も「何をアピールすべきか」が明確になり、比較検討がしやすくなります。

以下は、これらの項目を一覧化したチェックリストです。RFP作成時にそのまま使ってみてください。

項目記載する内容の例
背景・目的なぜこの事業をやるのか、解決したい課題は何か
対象ユーザー誰が、どんな場面で使うか
必須機能これがないと事業として成立しない機能
任意機能あれば良いが初期リリースでは無くても良い機能
スケジュールリリース希望時期、社内の意思決定期限
予算感概算予算、上限の目安
選定基準価格・実績・体制のどれを重視するか

RFP作成でよくある失敗

RFPを作る際に、新規事業ならではの落とし穴がいくつかあります。

一つ目は、機能の要望を詰め込みすぎてしまうことです。「あれもこれも」と機能を盛り込んだ結果、開発規模が想定より膨らみ、見積もりが跳ね上がってしまうことがあります。これは発注後にも起こりがちな現象で、スコープクリープと呼ばれます。プロジェクトの途中で要望が次々に追加され、当初の予定より作業範囲が広がってしまう状態のことです。RFPの段階から「必須機能」と「任意機能」を分けておくことは、このスコープクリープを未然に防ぐ意味でも重要です。

二つ目は、要件を固めすぎてしまうことです。新規事業は市場に出してみないと反応が分からない部分が大きいため、最初からフル機能を詳細に指定してしまうと、後から方向転換がしにくくなります。特にまだユーザーが本当に欲しがっているもの、つまりバーニングニーズ(頭に火がついたような切迫した課題)が特定できていない段階で機能を作り込みすぎるのは、リスクの高い進め方だと言えます。

三つ目は、社内で誰が意思決定者なのか曖昧なまま進めてしまうことです。RFPを出した後に「やっぱりこの機能も必要だった」と後出しで要望が変わると、開発会社側の見積もりや提案の前提が崩れてしまいます。

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新規事業のRFPは「決めすぎない」ことも重要

ここまでRFPに書くべき項目を紹介してきましたが、新規事業の場合はあえて「決めすぎない」バランス感覚も必要です。既存事業の改修であれば要件をきっちり固めてから発注する方が安全ですが、新規事業はそもそも何が正解か発注側も分かっていないケースがほとんどです。

そうした状況では、フル機能を一気に開発するのではなく、まずはMVP(Minimum Viable Product、実用最小限の製品)として最低限の機能だけを形にし、ユーザーの反応を見ながら仮説検証を繰り返すアプローチが有効です。RFPの段階でも「初回リリースはここまで」「その後の拡張はフェーズ2として別途相談」という書き方にしておくと、開発会社側も無理のない提案がしやすくなります。

Wurに相談に来るクライアントの中には、RFPを作る前段階で「要件がまだふわっとしている」「そもそも何を機能要件に入れるべきか分からない」という方も多くいらっしゃいます。実際に当社が支援を行った介護施設向けAIマッチングサービスでも、当初は課題感だけがあり、ユーザーインタビューを通じて機能を絞り込みながら形にしていった事例もあります。RFPを完璧に仕上げてから相談するのではなく、要件が固まりきっていない段階から一緒に整理していくやり方も選択肢の一つです。

まとめ

RFPテンプレートは、開発会社と発注側の認識をすり合わせるための土台です。背景・目的、対象ユーザー、必須機能と任意機能、スケジュール、予算感、選定基準をひと通り押さえておけば、複数社を比較検討する際の精度が大きく上がります。一方で、新規事業の場合は要件を固めすぎず、MVPから小さく始めて仮説検証していく進め方も視野に入れておくと、後々の手戻りを減らすことができます。

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