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2026.06.03ブログ

新規事業の予算の取り方|社内承認を通すための実践ガイド

新規事業の予算の取り方|社内承認を通すための実践ガイド

新規事業を立ち上げたいと考えているものの、「予算をどう取ればいいのかわからない」「何度申請しても承認されない」と悩んでいる担当者の方は多いのではないでしょうか。

Wurでは2019年の創業以来、50社以上の新規事業を支援してきましたが、その中で「予算が取れずにプロジェクトが止まってしまった」というケースを数多く見てきました。一方で、きちんとした予算申請書を作成し、経営層への説明を工夫することで、スムーズに承認を得ているケースも少なくありません。

この記事では、新規事業の予算獲得に必要な考え方から、実際の申請書の作り方、承認率を高めるためのポイントまで、現場視点で解説します。

新規事業の予算が通らない3つの理由

まず、なぜ新規事業の予算申請が却下されるのか。Wurに相談に来るクライアントの中でよく見られる失敗パターンは、以下の3つです。

1. 投資対効果が不明確

「とりあえずやってみたい」という熱意だけで申請書を作成し、「いくら投資して、どれくらいのリターンが見込めるのか」が示されていないケース。経営層は限られた予算を複数の事業に配分する立場にあるため、数字で説明できない案件は承認しづらいのです。

2. リスクヘッジの視点がない

新規事業は不確実性が高いもの。それなのに「必ず成功します」と楽観的な見通しだけを示すと、逆に信頼性を失います。経営層が知りたいのは「もし失敗した場合、どう損失を最小化するのか」という撤退戦略やリスク対策です。

3. 予算配分の根拠が曖昧

「システム開発費500万円」「広告費300万円」といった数字だけを並べ、なぜその金額が必要なのか、相見積もりを取ったのか、段階的に投資することは検討したのか、といった検証プロセスが見えないケース。これでは「本当にこの金額が適正なのか」を判断できません。

予算申請前に整理すべき3つの前提

予算申請書を作る前に、以下の3点を明確にしておくことが重要です。

1. バーニングニーズの特定

バーニングニーズとは、「頭に火がついたような切迫した課題」のこと。Wurでは新規事業の立ち上げ支援において、必ずこのバーニングニーズの特定から始めます。

「あったら便利」程度のアイデアでは予算は通りません。経営層を納得させるには、「この課題を放置すると、顧客や市場にどんな損失が生まれるのか」を示す必要があります。

2. PSF(Problem Solution Fit)の検証

課題が明確になったら、次は「その課題に対して、自社のソリューションが本当に有効なのか」を検証します。いきなり数百万円の開発費を申請するのではなく、まずはペーパープロトタイプやMVP(Minimum Viable Product)で仮説検証を行い、その結果を予算申請の根拠にすると説得力が増します。

3. PMF(Product-Market Fit)への道筋

「PSFが取れた後、どうやってスケールさせるのか」を示すことも重要です。初期投資だけでなく、グロースフェーズでの追加投資も含めた中長期的な予算計画を描いておくと、経営層は全体像を把握しやすくなります。

承認率が上がる予算申請書の構成

ここからは、実際に承認率の高い予算申請書の構成を解説します。

1. エグゼクティブサマリー(1ページ)

経営層は忙しいため、最初の1ページで結論を示します。以下の要素を簡潔にまとめましょう。

  • 事業概要:何をする事業なのか(1〜2文)
  • 課題とソリューション:どんな課題を、どう解決するのか
  • 市場規模:TAM(Total Addressable Market)の概算
  • 初期投資額:Phase1で必要な予算総額
  • 目標KPI:半年後・1年後の達成目標(ユーザー数、売上、利益率など)
  • 撤退基準:どの数字が達成できなければ撤退するのか

この1ページで「読む価値がある」と思わせることが重要です。

2. 課題と市場機会(2〜3ページ)

バーニングニーズを裏付けるデータを提示します。

  • 定量データ:市場調査データ、顧客アンケート結果、既存サービスの利用状況など
  • 定性データ:実際の顧客インタビュー、SNSでの声、競合分析
  • 市場成長率:この市場は今後どう推移するのか(出典を明記)

Wurに相談に来るクライアントの中には、「社内の声だけで判断している」ケースが見られますが、第三者機関のデータや実際のユーザーの声を盛り込むことで、客観性が増します。

3. ソリューションと差別化ポイント(1〜2ページ)

自社が提供する価値を具体的に示します。

  • どんな機能・サービスを提供するのか
  • 既存の競合サービスとの違いは何か
  • なぜ今、自社がやる必要があるのか(技術的優位性、顧客基盤、ブランド力など)

ここでは「すでにMVPで検証済み」「5社のリード顧客から導入の意向を得ている」といった実績があると、説得力が格段に上がります。

4. 収益モデルと数値計画(2〜3ページ)

ここが最も重要なパートです。経営層が見るのは「この事業は儲かるのか」という点。

  • 収益モデル:どこから、いくら、どうやって売上を立てるのか
  • ユニットエコノミクス:顧客1人あたりの獲得コスト(CAC)とライフタイムバリュー(LTV)
  • 損益シミュレーション:1年目・3年目・5年目の売上・費用・利益(楽観・標準・悲観の3パターン)
  • ブレイクイーブンポイント:いつ黒字化するのか

Wurではビジネス設計から開発まで一気通貫の事業計画支援も行っていますが、ここで重要なのは「現実的な数字を出すこと」。過度に楽観的な見通しは逆効果です。

5. 予算内訳と投資計画(2ページ)

予算の使い道を詳細に示します。

Phase1(MVP開発・初期検証):6ヶ月

  • システム開発費:337.5万円〜(MVP開発の場合の目安)
  • デザイン費:50万円
  • 市場調査費:30万円
  • 広告テスト費:50万円
  • その他諸経費:32.5万円
  • Phase1合計:500万円

Phase2(本格展開):6ヶ月

  • 機能拡張開発:200万円
  • マーケティング費:300万円
  • 人件費:400万円(PM1名、営業2名)
  • Phase2合計:900万円

初年度総額:1,400万円

このように、フェーズごとに分けて提示すると、「まずPhase1だけ承認して、結果を見てからPhase2を判断する」という段階的な意思決定がしやすくなります。

Wurでは日本人PMによる低単価オフショア開発を行っており、国内開発の約1/2のコストでMVP開発が可能です。予算申請の段階で複数の開発会社から相見積もりを取り、「最もコストパフォーマンスが高い選択をした」と示すことも、承認率を高めるポイントです。

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6. スケジュールとマイルストーン(1ページ)

具体的なスケジュールと、各フェーズで達成すべき目標を示します。

  • Month 1-2:ビジネス設計、UI/UX設計、要件定義
  • Month 3-4:MVP開発、内部テスト
  • Month 5-6:リード顧客でのパイロット運用、フィードバック収集
  • Month 6末:Phase1終了時の判定会議(目標:5社導入、月間売上50万円)

マイルストーンを明確にすることで、「途中で軌道修正できる」という安心感を与えられます。

7. リスクと対策(1ページ)

想定されるリスクと、その対策を正直に書きます。

  • 技術リスク:開発が遅延する可能性 → 実績のある開発パートナー(Wurなど)との契約でヘッジ
  • 市場リスク:想定したニーズが存在しない可能性 → MVP検証で早期撤退ラインを設定
  • 競合リスク:大手企業が参入する可能性 → 初速で顧客基盤を押さえる戦略

リスクを隠さずに書くことで、「冷静に判断している」という信頼を得られます。

8. 推進体制(1ページ)

誰がこのプロジェクトを担当するのかを明記します。

  • プロジェクトオーナー:〇〇部長(意思決定責任者)
  • PM:〇〇(進行管理、ベンダー調整)
  • 開発パートナー:Wur株式会社(ビジネス設計〜開発〜グロースまで一気通貫で支援)
  • マーケティング担当:〇〇(顧客獲得、データ分析)

「誰が責任を持つのか」が曖昧なプロジェクトは承認されにくいため、明確な体制図を示しましょう。

経営層を説得する3つのポイント

予算申請書ができたら、次はプレゼンテーションです。Wurの現場で見てきた「承認されやすいプレゼン」の特徴を3つ紹介します。

1. 「なぜ今なのか」を強調する

経営層は「この事業をやるべき理由」だけでなく、「なぜ今やる必要があるのか」を知りたがります。市場の変化、法改正、競合の動き、技術トレンドなど、「今始めないと機会を逃す」という緊急性を伝えましょう。

2. 「小さく始めて大きく育てる」ストーリーを描く

「いきなり1,000万円を投資してください」ではなく、「まず337.5万円でMVPを作り、結果を見て次のフェーズを判断しましょう」という段階的なアプローチを提案すると、承認されやすくなります。

WurではMVP開発を期間2ヶ月〜、費用337.5万円〜で支援しており、こうした段階的な投資計画に適しています。

3. 「失敗しても学びがある」と伝える

新規事業は必ず成功するとは限りません。しかし「失敗したとしても、得られるデータや知見は次の事業に活かせる」という視点を示すと、経営層も投資しやすくなります。特に「撤退基準が明確で、ダラダラと赤字を垂れ流さない」という姿勢を示すことが重要です。

補助金を活用して初期投資を圧縮する方法

予算が限られている場合、補助金を活用することで実質負担を大幅に減らせます。

デジタル化・AI導入補助金

中小企業がITツールやシステムを導入する際に利用できる補助金。最大450万円まで補助されるケースもあります。新規事業でシステム開発を行う場合、この補助金を申請することで初期投資を圧縮できます。

ものづくり補助金

新製品・新サービスの開発に必要な設備投資やシステム開発費用を補助する制度。最大1,250万円(一般型)まで補助されます。製造業だけでなく、サービス業でも申請可能です。

Wurでは最新サービス「Wur ゼロイチAI」において、AIによる補助金マッチング機能を提供しています。事業内容を入力するだけで、どの補助金が適用可能か自動診断し、申請書の作成も支援します。

「外注見積もりが2,000万円以上だったシステムを、補助金活用後の実質負担300万円以下で実現できた」というお客様の声もあります。予算申請の際に「補助金を活用すれば、実質負担は〇〇万円になります」と示すと、承認率が上がります。

予算申請後のフォローも重要

予算が承認された後も、定期的に進捗報告を行うことが重要です。

  • 月次報告:KPIの達成状況、予算消化率、課題と対策
  • 四半期レビュー:当初計画との差異分析、次の四半期の方針
  • 年次総括:1年間の成果、次年度の予算申請の準備

Wurに相談に来るクライアントの中には、「最初の予算は通ったが、追加投資が承認されない」というケースも見られます。これは、進捗報告が不十分で、経営層が「このプロジェクトは本当に進んでいるのか」を把握できていないことが原因です。

定期的に数字で成果を示し、「投資した分、ちゃんとリターンが出ている」と認識してもらうことが、次の予算を取るための布石になります。

まとめ

新規事業の予算を取るためには、以下のポイントを押さえることが重要です。

  1. バーニングニーズを特定し、市場機会を数字で示す
  2. 投資対効果を明確にし、段階的な投資計画を提示する
  3. リスクと撤退基準を正直に書き、信頼を得る
  4. 補助金を活用して、実質負担を圧縮する
  5. 承認後も定期的に報告し、次の予算につなげる

予算申請書の作成は、単なる事務作業ではありません。「この事業は本当に成功するのか」を自分自身に問い直す、事業の解像度を上げるプロセスでもあります。

もし「予算申請書をどう作ればいいかわからない」「事業計画の数字に自信がない」という場合は、Wurの無料AI事業診断ワークショップ(月3社限定)をご活用ください。AI PMが曖昧なアイデアを15分でプロ仕様の事業計画書に変換し、予算申請に必要な資料作成を支援します。

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