✔ この記事でわかること
- SaaS開発の費用相場(MVP:300万〜、中規模:1,000万〜、大規模:3,000万円〜)
- 開発費用の内訳と各工程で何にお金がかかるのか
- 予算内で最大の成果を出すための5つの開発戦略(MVPからの段階的開発、優先順位づけ、オフショア活用など)
- 見積もりに含まれない「隠れたコスト」と対策方法
- 開発会社選びで失敗しないための3つのチェックポイント
「SaaSを作りたいけど、いくらかかるのか全く想像がつかない」「見積もりを取ったら予算の3倍だった」——新規事業でSaaS開発を検討する際、最初の壁になるのが費用の問題です。
Wurでは2019年の創業以来、50社以上の新規事業を一気通貫で支援してきました。その中で「初期投資をかけすぎて頓挫する」「安さだけで選んで作り直しになる」といった失敗パターンを数多く見てきました。
この記事では、SaaS開発の費用相場を機能別・規模別に整理した上で、Wurの現場で実際に成果を出している「予算内で最大の価値を生む開発戦略」を具体的にお伝えします。
SaaS開発の費用相場:機能別・規模別の目安
SaaS開発の費用は「どんな機能を、どこまで作るか」によって大きく変動します。まずは一般的な相場感を押さえておきましょう。
シンプルなSaaS(MVP):300万〜800万円
最小限の機能で顧客に価値を届けるMVP(Minimum Viable Product)レベルのSaaSなら、300万〜800万円が相場です。
含まれる機能例:
- ユーザー登録・ログイン機能
- 基本的なダッシュボード
- 1〜2つのコア機能(例:顧客管理、データ分析の基礎)
- シンプルな管理画面
- 決済機能(Stripe等の外部サービス連携)
Wurでは期間2ヶ月〜・費用337.5万円〜でMVP開発を支援しています。「まずは市場でバーニングニーズ(頭に火がついたような切迫した課題)があるか検証したい」という段階では、このレベルから始めるのが賢明です。
中規模SaaS:1,000万〜3,000万円
複数の機能を持ち、ある程度の規模のユーザーに対応できるSaaSの開発費用は1,000万〜3,000万円が目安です。
含まれる機能例:
- 複数の権限管理(管理者・一般ユーザー等)
- 詳細なデータ分析・レポート機能
- 外部サービスとのAPI連携(複数)
- メール通知・アラート機能
- モバイル対応(レスポンシブデザイン)
- セキュリティ強化(2段階認証等)
Wurに相談に来るクライアントの中で、このレベルを最初から目指して予算オーバーになるケースをよく見かけます。「将来必要になるかもしれない機能」まで初期開発に盛り込んでしまうのは、リスクが高い選択です。
大規模SaaS・エンタープライズ向け:3,000万円以上
エンタープライズ向けや、高度な機能を持つ大規模SaaSの場合、開発費用は3,000万円を超えることも珍しくありません。
含まれる機能例:
- 複雑なワークフロー管理
- 高度なセキュリティ(SSO、IPアドレス制限等)
- マルチテナント対応
- 大量データの高速処理
- カスタマイズ可能な設定機能
- 専用モバイルアプリ(iOS/Android)
- 多言語対応
ただし、Wurの現場で見てきた成功パターンは「最初から大規模を目指さない」ことです。まずはMVPで顧客のニーズを検証し、PMF(Product-Market Fit)を確認してからスケールさせる方が、結果的に成功確率は高まります。
SaaS開発費用の内訳:何にお金がかかるのか
SaaS開発の見積もりを見たとき「なぜこんなに高いのか」と感じる方も多いでしょう。費用の内訳を理解しておくことで、適切な予算配分ができます。
要件定義・設計フェーズ:全体の15〜25%
「どんな機能が必要か」「どんな画面構成にするか」を決める上流工程です。
具体的な作業内容:
- ビジネスモデルの整理
- ユーザーインタビュー・ニーズ調査
- 機能要件の洗い出し
- ワイヤーフレーム作成
- システム設計書作成
Wurでは、この段階でバーニングニーズを特定することを最重視しています。「あれば便利」ではなく「これがないと困る」という機能を見極めないと、後工程でのムダが発生するからです。
UI/UXデザイン:全体の10〜20%
ユーザーが実際に触れる画面のデザインです。SaaSの場合、使いやすさが継続率に直結するため、ここに投資する価値は高いです。
具体的な作業内容:
- デザインコンセプト策定
- 画面デザイン作成(全画面)
- プロトタイプ作成
- デザインシステム構築
Wurに相談に来るクライアントの中には「デザインは後回しでいい」と考える方もいますが、特にBtoB SaaSでは「使いにくいツール」は現場で定着しません。初期段階からユーザー視点のUI/UXを意識することが、長期的な成功につながります。
フロントエンド・バックエンド開発:全体の40〜50%
実際にコードを書いてシステムを構築する工程です。開発費用の中心を占めます。
具体的な作業内容:
- フロントエンド開発(React、Vue等)
- バックエンド開発(Rails、Node等)
- データベース設計・構築
- API開発
- セキュリティ実装
Wurでは、日本人PMによるベトナムオフショア開発を活用することで、この部分のコストを国内開発の約1/2に抑えています。ただし、システム設計・コードレビューは日本人エンジニアが必ず担当するため、品質は確保されます。CTOがいないスタートアップでも安心して開発を進められる体制についてはスタートアップにCTOがいない時の開発戦略|外部パートナー活用のリアルで詳しく解説しています。
テスト・品質保証:全体の10〜15%
動作確認やバグ修正を行う工程です。「リリースしたらすぐ不具合」という事態を防ぐため、ここを削ってはいけません。
具体的な作業内容:
- 単体テスト
- 結合テスト
- セキュリティテスト
- 負荷テスト
- バグ修正
Wurは上場企業グループとして、ISO9001・ISO/IEC27001を取得しており、ISTQB Platinum Partnerでもあります。テスト工程の品質管理体制が整っているため、リリース後のトラブルを最小限に抑えられます。
インフラ・保守運用:月額5万〜30万円
SaaSは「作って終わり」ではありません。サーバー費用や保守運用のランニングコストも考慮する必要があります。
月額費用の内訳例:
- サーバー費用(AWS、GCP等):月1万〜10万円
- 監視・保守運用:月3万〜15万円
- セキュリティアップデート対応:月1万〜5万円
ユーザー数が増えるほどサーバー費用は上がるため、成長を見越した予算計画が必要です。
予算内で成果を出す5つの開発戦略
ここからは、Wurの現場で実際に成果を出している「予算を最大限活かす開発戦略」を5つご紹介します。
1. MVPから始めてPMFを確認する
「最初から完璧なSaaSを作る」という考え方は、新規事業では最もリスクが高い選択です。
Wurでは、PSF(Problem Solution Fit)→ PMF(Product-Market Fit)を目指す流れで支援しています。まずはMVPで「本当に顧客が求めている機能」を検証し、反応が良ければ追加開発でスケールさせる。この進め方なら、初期投資を1/3に抑えながら、成功確率を高められます。MVP開発と並行してPoCを実施する手法については新規事業のPoC(概念実証)を成功させる進め方|現場で見た失敗パターンと対策で詳しく解説しています。
実例:PM Agent(採用自動化システム)
Wurが支援したPM Agentは、最初から全機能を作らず、「応募者の自動スクリーニング」という1つの機能に絞ってMVPを開発。結果、月30時間かかっていた業務を完全自動化でき、顧客の強いニーズを確認してから、段階的に機能を追加していきました。
2. 優先順位をつけて「今作るべき機能」だけ開発する
「将来的に必要になりそう」「あったら便利かも」——そんな機能を初期開発に盛り込むと、予算は簡単に2倍・3倍に膨らみます。
Wurに相談に来るクライアントの中で、見積もりが高額になっているケースの多くは、機能の優先順位がついていません。「今すぐ顧客に価値を届けるために絶対必要な機能」だけに絞り込めば、開発費用は大幅に削減できます。
判断基準:
- 「この機能がないと顧客は困るか?」→YES なら優先度高
- 「この機能がなくても代替手段はあるか?」→YES なら後回し
- 「この機能で収益が上がるか?」→NO なら削除候補
3. ノーコード・ローコードツールとの組み合わせを検討する
「すべてをフルスクラッチで開発する」必要はありません。ノーコード・ローコードツールを部分的に活用すれば、開発期間・費用を削減できます。
活用例:
- 管理画面 → Retool、Bubble等のノーコードツール
- 決済機能 → Stripe、PAY.JP等の外部サービス
- メール配信 → SendGrid、Mailchimp等の既存ツール
- 認証機能 → Auth0、Firebase Authentication等
ただし、ノーコードツールには柔軟性の限界があります。「ビジネスのコア機能」は独自開発し、「周辺機能」は既存ツールで代替する——このバランスが重要です。
4. オフショア開発で品質を保ちながらコストを削減する
「オフショア開発は安いけど品質が心配」と感じている方も多いでしょう。確かに、言語の壁や仕様伝達のミスでトラブルになるケースはあります。
Wurでは、ベトナム・ハノイ工科大学出身者を中心とした開発チームを持ち、日本人PMが必ずプロジェクト管理を担当します。システム設計・コードレビューも日本人エンジニアが行うため、「安かろう悪かろう」にはなりません。コストは国内開発の約1/2ですが、品質は上場企業グループとしての基準を満たしています。
5. 補助金を活用して実質負担を大幅に削減する
SaaS開発には、国や自治体の補助金を活用できる可能性があります。
主な補助金制度:
- デジタル化・AI導入補助金:IT化・AI活用による業務効率化を支援(最大450万円)
- ものづくり補助金:新製品・新サービス開発を支援(最大1,000万円)
Wurの支援実績では、外注見積もりが2,000万円以上だったシステムを、補助金活用後の実質負担300万円以下で実現できた事例もあります。
Wurの最新サービス「Wur ゼロイチAI」では、AIが補助金の自動診断・申請書作成まで支援します。「補助金は手続きが面倒」と感じている方も、まずは無料AI事業診断で可能性を確認してみてください。
SaaS開発の「隠れたコスト」に注意
見積もりに含まれていない「隠れたコスト」が、後から発生するケースもあります。
仕様変更・追加開発の費用
開発途中で「やっぱりこの機能も欲しい」となった場合、追加費用が発生します。仕様変更1件あたり数十万〜数百万円かかることも。
対策:
- 要件定義フェーズで徹底的に詰める
- ラボ型(準委任)契約で柔軟に対応できる体制を組む
Wurはラボ型契約を推奨しています。固定の月額費用で開発チームを確保し、仕様変更にも柔軟に対応できるため、スタートアップや新規事業には最適です。
セキュリティ対策・法令対応の費用
個人情報を扱うSaaSの場合、GDPR対応・プライバシーマーク取得などの法令対応が必要になることがあります。これらは初期見積もりに含まれていないケースも多いため、事前確認が必須です。
リリース後のマーケティング・営業費用
「SaaSを作れば売れる」わけではありません。リリース後のマーケティング・営業活動にも予算を確保しておく必要があります。
Wurでは、ビジネス設計から開発・グロースハックまで一気通貫で支援しています。「せっかく作ったのに使われない」という事態を防ぐため、上流段階から「どうやって顧客を獲得するか」まで設計します。
開発会社選びで失敗しない3つのチェックポイント
SaaS開発の費用は、発注先によって大きく変わります。「安いから」だけで選ぶと、後悔することになりかねません。開発会社を選ぶ際のポイントについては新規事業の開発会社の選び方|失敗しない5つのポイントでも詳しく解説していますが、ここではSaaS開発に特化した3つのチェックポイントをご紹介します。
1. 新規事業の上流支援ができるか
一般的な開発会社は「RFP(提案依頼書)があれば開発する」スタイルです。しかし、新規事業の場合、RFPを作る段階から支援が必要なケースが多い。
Wurでは、「アイデアはあるが何から始めればいいかわからない」というお客様に対して、ビジネス設計フェーズから一気通貫でサポートします。「どんな機能が最適か」を一緒に考えるところからスタートできるのは、Wurの強みです。
2. 開発後のグロース支援まで対応できるか
「開発して納品したら終わり」という会社も多いですが、SaaSは「リリースしてからが本番」です。
Wurでは、開発後のグロースハック支援まで対応しています。ユーザー行動分析、A/Bテスト、機能改善の優先順位づけなど、PMFを達成するまで伴走します。
3. 実績・事例が豊富にあるか
SaaS開発の実績が豊富な会社は、「失敗パターン」を知っています。
Wurがこれまで支援してきた主なSaaS事例:
- 介護施設向け加算取得支援SaaS
- マイナンバー管理SaaS
- 賃貸管理システム
- 経営予実管理クラウドSaaS
- 動物病院予約受付DX SaaS
これらの実績から培った「新規事業でSaaSを成功させるノウハウ」が、Wurの強みです。
まとめ
SaaS開発の費用は、規模や機能によって300万円〜3,000万円以上と幅がありますが、大切なのは「予算内で最大の価値を生む戦略」です。
Wurが推奨する開発戦略:
- MVPから始めてPMFを確認する(費用337.5万円〜)
- 優先順位をつけて「今作るべき機能」だけ開発する
- ノーコード・ローコードツールとの組み合わせを検討する
- オフショア開発で品質を保ちながらコストを削減する
- 補助金を活用して実質負担を大幅に削減する
Wurでは、2019年の創業以来50社以上の新規事業を支援し、「失敗のパターン」を身をもって体感してきた代表・閏間のもと、失敗確率を減らす開発パートナーとして伴走します。
「アイデアはあるが予算が限られている」「過去に失敗したので次は慎重に進めたい」——そんな方は、まずWurの無料AI事業診断で、あなたのSaaSアイデアの可能性と最適な開発戦略を確認してみませんか。
まずはWurの無料ヒアリングツールでアイデアや課題を整理してみてください。
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シリコンバレー留学をきっかけにIT業界へ。エンジニアとしてキャリアを積んだ後、大手企業の新規事業開発・スタートアップCTOを経てWur株式会社を創業。「人々の日常に、心躍る体験を。」をミッションに、新規ビジネスの立ち上げを一気通貫で支援している。エアトリグループ傘下として、国内外の豊富なネットワークを活かしたサービス開発を手掛ける。



